18-19 PL 第8節 vs マンチェスター・シティ戦

はじめに

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共にプレミアリーグは無敗、6勝1分、同勝ち点で迎えた首位攻防戦。全てを決めるには早すぎるが、今シーズンの両チームの行く末を占うにはうってつけの試合だ。

リバプールはというと地獄のデスロードがこの試合で終わる。9月半ばから、スパーズ、PSG、チェルシー(2試合)、ナポリと当たるという鬼日程の最後のデザートがこのシティ戦である。直近3試合は勝ち星なし。サラーを始めとした攻撃陣の得点力に陰りが見え、中盤も満身創痍気味。

対するシティ。磐石である。開幕2試合でチェルシーアーセナルを蹴散らし、以降リーグ戦は無敗。デ・ブライネが長期離脱中だが、それを感じさせない充実ぶり。しかし相手がリバプールとなると、脳裏によぎるのは昨シーズンの3連敗だろうか。ボール保持特化型の天敵であるクロップリバプールに、どのように対峙するのか。

 

変わらぬもの 変わったもの

まずは両チームのスタメンを見る。リバプールはDFラインを入れ替え、右SBにゴメスを置いた。これは恐らく、チェルシー戦、ナポリ戦と狙われ続けたアーノルドの裏をケアしようという意図の表れかと思う。ゴメスも機を見て攻撃参加はするが積極的に幅を取るようなポジショニングはしなかった。ゴールキーパーにアリソンがいる他はほぼ昨シーズンと同様。

シティはというと、長期離脱から復帰したメンディが左SBに。昨シーズンはここにデルフやラポルトダニーロ等を置いたが、幅取りができずに苦戦していた印象。スーパークロスお笑い好感度爆上げマシーンことメンディが入りどうなるか。また、右サイドには新戦力のマフレズ。中盤にはデ・ブライネの代わりにベルナウド・シウバが入った。昨シーズンからのアップデートにより、ザネやギュンドアン、ジェズスがベンチへ。恐ろしい選手層である。

 

どこかで見たような

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試合開始直後からリバプールは積極的な前プレを仕掛けた。昨シーズンの再現!を狙ったことは間違いない。対するシティの策は、SBを一列あげての3バック化。リバプールの3トップは3バックに張り付くのだけど、時折エデルソンも加えてのビルドアップに追いつけず、どうしてもSBが浮いてしまう。縦スライドをしようにもゴメスはスターリングにピン留めされている。特にメンディを意図的に使っていた。サラーを下げさせる狙いももちろんあるだろう。デルフやラポルトでは、昨シーズン作れなかった形だ。

序盤はリバプールがハイプレスにより比較的ボールを回収できたが20分過ぎからはシティがボール保持を高めていく。ゴメス、ロブレン、ダイクを中心として集中した守備を見せるリバプール。シティもベルナウド・シウバが一列下がった位置からの攻め上がりを自重しているようで、あまり攻撃には人数をかけない様子。

リバプールのボール保持に対しては、あまり深追いをしないシティ。リバプールも手数をかけずにライン裏へマネ、サラーを走らせることを意識していた為、単発の攻撃で終わることが多かった。IHがラインに降りることでビルドアップに数的優位は作れるが相変わらず、地上戦では出口を見出せないリバプールであった。

前半は両チーム共に決定機はほぼ無く、アグエロの微妙なPK判定がハイライトといったところ。後半に入っても両チーム共にスタンスは変わらず。通常、ペップのチームだとここから、同サイドに人を集めたり、アグエロ、シルバを下ろして数的優位を局地的に作りがちなのだが、あまりそのような動きもなく。相当にリバプールのポジティブ・トランジションに警戒して、各選手のポジションを乱さないようにしていたと思う。

試合が動き始めるのは、ジェズス、ザネが登場した後半25分以降。リバプールの前線、中盤の運動量が少なくなり、プレスの強度も落ち始める。特にジェズスが左サイドに流れ、ザネ、メンディと数的優位を形成しチャンスを作り出していく。アリソン、ダイク、ロブレンが何とか凌ぐリバプール。しかし思い届かず。トランジションからザネが抜け出し、寄せたファンダイクにファールが取られPK献上。万事休すと思われたが、これをマフレズが枠外に外し試合継続。結果的にこのカードでは世にも珍しいスコアレスドローとなった。

 

おわりに

ナポリ戦を反省して修正を施してきたリバプールと昨シーズンの再現はさせない!と修正を施してきたシティという試合は、お互いの相手に対するリスペクトが相殺されたかのような、全体的に静かな試合になった。リバプールとしては、展開はナポリ戦と全く同じ。昨シーズン以前のような、ボールを持たされたらどうする問題が露呈している。リーグ戦に限ればスパーズ、チェルシー、シティを含めた開幕8試合を無敗で乗り越えたことは万々歳かもしれない。代表ウィークに入り、心機一転。デスロードから解放されて、勝ち点を落とさずに過ごせるか。怪我人多発の匂いもするが、個人的には新戦力のフィットに期待したい。